元スト2プレイヤーの釧路本田さん※とカミヅキの二人でカメラ屋さんにインタビューを行いました。
※釧路本田さん
カメラ屋さんと交流のある元スト2プレイヤー。
スト2ターボ時代に釧路から強者を求めて東京まで南下してきた剛の者。
現在故郷の釧路でeスポーツを流行らせるために尽力されておられます。
カメラ屋さんについて
飛び道具なしの対戦で、若い頃のウメハラさんに一度も負けたことがないって本当ですか?
――ミーハーな質問から入って恐縮です。
ウメハラさんが、自身のキャリアの中でもカメラ屋さんとの出会いが大きなターニングポイントとなったという話を配信で何回かされているんですけれども、カメラ屋さん視点でのお話を伺ってみたいです。
波動拳なしで強かったリュウの話・地上戦最強の男「この人が秋葉に来た。この人には飛び道具なしで一回も勝ったことない。」【スト2・昔話】
※ウメハラさんがカメラ屋さんとの出会いを語っているYouTubeの切り抜き動画のリンクです。投稿者設定により動画の埋め込みが出来ませんでした。
カメラ屋
ウメハラくんに飛び道具なしで負けたことがないっていうのは、多分本当ですね。
――マジすか。
カメラ屋
スト2Xが発売されて2年くらい経った頃で、私は就職してみんなとあまり会わなくなってた時期に、以前対戦していた友人から久しぶりに連絡があって。才能のある中学生がいるから秋葉原シントクセガに来てほしいと呼び出されたんですよ。
――それが当時のウメハラさんだったんですね。
カメラ屋
その友人に「簡単にスト2で勝てる状況は彼のためにならない。他のゲームにはないスト2の地上戦の奥の深さを教えてあげてほしい」みたいなことを言われて。そこまで露骨に言われたかははっきり覚えてないんですけれども。
※地上戦
ここでは飛び道具無し(通常技のみ)でリュウケン戦をすること。足払い戦とも呼ぶ。
――つまり、当時イケイケだったウメハラさんを叩き潰すための、いわば対ウメハラ用秘密兵器として呼ばれたと……?
カメラ屋
対ウメハラ用秘密兵器というよりも、秋葉原のスト2プレイヤー達が若いウメハラくんをもっと上達させて完璧超人に育てたいと考えてたようですね。その地上戦研修の講師に選ばれた感じだと思います。
そこでウメハラくんに対して「スト2で地上戦最強の人」みたいな紹介をされたんですよ。
――それは……すごい紹介のされかたをされてしまいましたね。
カメラ屋
ここで負けたらウメハラくんに「スト2で一番強い人に勝った!」と思われてしまうのか、と。
自分が負けることはともかくとして、過去のスト2時代のレベルを疑われてしまうような事態だったわけですね。これは大変なことになったと少し気が重かったです。
――なんせ「最強」呼ばわりですからね。
カメラ屋
当時のウメハラくんはセンスや反応もキレキレでした。
既に秋葉原の熟練プレイヤーとも互角かそれ以上のレベルになっていました。
でも、スト2Xを初めてまだ1年も経っていないし、そもそも主戦場がヴァンパイアハンターのプレイヤーと聞いていたので、絶対に負けられないと思いました。
だから大人気ないですけれど、慎重に、油断せず、本気でやりました。
野試合だといつもは遊び的な要素も入れて勝ち負けを楽しむのですが、ウメハラくん相手ではそういうことは一切せず、絶対に勝たせないと言う方針でやりました。
だから僕の記憶の限りでは一回も負けてないです。
――「地上戦最強」の二つ名に相応しい結果を出しましたね。
カメラ屋
今思うと学生のウメハラくんに申し訳なかった。ごめんなさい。
――そのときは地上戦縛りの対戦ですか?
カメラ屋
そうですね。地上戦縛りです。
――それがウメハラさんとのファーストコンタクトだったんですね。
カメラ屋
いや、後から気付いたんですけれども、実は前にビッキーズ※でウメハラくんに会っていたんですよね。
※ビッキーズ
東京の神田にあったゲームセンター。既に閉店しています。
――ウメハラさんみたいな飛び抜けて強い若者がいたら印象に残ってそうなものですけれども。
カメラ屋
ビッキーズでは当時ウメハラくんのことをみんなで“少年”と呼んでいたので最初気づかなかったんです。
スト2Xの時代では「地上戦縛り」で遊ぶことは普通だったんですか?
カメラ屋
ウメハラくんと対戦した当時は、スト2Xが発売されて2年くらい経っていたんですよ。
その頃になると、大きな大会があるわけでもなく、別のゲームは盛り上がっているし、学生時代にスト2で遊んでいたプレイヤーは就職したりして結構なプレイヤーがスト2をやめてしまっていました。
そのため、ガチではなく趣味でスト2Xを楽しむという形でプレイヤーがゲーセンに集まっていたんですね。特に、当時の秋葉原には地上戦を好きな常連さんが多かったのもあって、秋葉原ではその遊び方が流行っていたみたいです。
――ウメハラさんの漫画で、「ムーミン谷」というか「メルヘンの国」呼ばわりされていた時代の話ですよね。
カメラ屋
当時については、なんだか「ムーミン谷」の言葉が独り歩きしているせいで、結構ヌルい対戦環境だったかのようなイメージを持たれがちなんで、ちょっと補足させてもらいますね。
さっき言った通り、1996年から2000年くらいの間は大きい大会もなく、プレイヤーにとって目標がない時期だったんですよ。
だから、秋葉原の常連さん達は対戦台で連勝するよりも廃れないように新規のプレイヤーも楽しめるコミュニティを作ってスト2を盛り上げていこうという優しい考えを持ったプレイヤーが多かったんです。
――それが回り回って「平和なムーミン谷」のイメージになったんですかね。
カメラ屋
ムーミン谷はガチ対戦をしないのではなくて時代背景によってそういうコミュニティになっていたと理解してもらいたいです。
私はガチ対戦環境じゃないことが悪いことだとは思わないし、そこでスト2を好きになってくれた人がいたのならとても素敵だなと思いますよ。
これはずっと言っておきたかった!
――ちなみに内輪で地上戦の時代はいつまで続いたんでしょうか?
カメラ屋
その後、毎週土曜日にシントクセガに集まって地上戦を集中的にやるようになってたのですが、だんだん常連さん以外のプレイヤーも参加するようになってきたので、内輪の地上戦オンリー対戦の時代は終わりましたね。
カメラ屋さんは最初からスト2が強かったんですか?
カメラ屋
今もそんなに強くないですし、最初は当時やってたカメラ屋のバイト代が消える位は負けてました笑
――カメラ屋というプレイヤーネームもそこから来てるんですね。
カメラ屋
中央線西荻窪駅前のフジカメラでバイトしていて休憩中に『プレイシティキャロット西荻』っていうゲーセンにフジカメラの緑色のジャージを着て行ってたら「カメラ屋」ってあだ名をつけられて。
ちなみに、今はカメラ屋の仕事はしていないですよ。
――今、スト6だと対戦に負けて心が折れるような人が多いんですけれども、カメラ屋さんはそういうことはありましたか?
カメラ屋
当時はスト2人口が多かったので、ずっと負けっぱなしってのはなかったんです。盛り上がっているゲーセンでは勝てないけれども、地元のゲーセンでは勝てるので続けられたという。
――確かにスト6のランクマッチだと、同じ腕前の相手とずっと戦うので、心が折れる人も多いのかもしれません。
カメラ屋
あと、スト2って敗因がわかりやすいからモチベーションが下がらないんですよね。たとえば飛んできたときに対空技が出せなくて負けたとか。
だから地元で修行して、強いところで修行の成果を発表して、負けたら技術を持ち帰って修行して……というルーティンで遊べるんですよ。
それが楽しかったのもあってやめなかったですね。
――スト2全盛期は世間からゲームへの風当たりはまだまだ強かったと思うのですが、ご両親からゲームをやめるように言われたりしませんでした?
カメラ屋
これは後から聞いたんですけれども、うちの父親は私が早死にすると思ってたみたいなんですね。
私、小さいときに喘息で3回ぐらい入院してひ弱かったので、好きなことはやらせたほうがよいと思ってたそうです。
――なるほど笑
カメラ屋
あと、喘息でみんなと遊べなかった時期はゲームばっかりやってたんですよね。
ゲームって健康じゃなくても体格が大きくて健康な人と一緒に遊べるというのが良い部分だと思っていて。
中学生になった頃には体もある程度丈夫になって運動もできるようになったのですが、その小さい頃の強さへの憧れが格闘対戦ゲームのストリートファイター2にハマった理由と思います。
カメラ屋さんが地上戦を鍛え始めた理由は?
カメラ屋
そもそも初代スト2のときは地上戦を鍛えることが一番確実に勝利に繋がったんですよね。
通常技のダメージが単発でも結構大きくて跳び込みからの連続攻撃がなくても相手を十分倒せたんです。
しかも初代とかダッシュの時代はゲームスピードが速くなかったので、跳び込んだ時に相手のコマンドミスというのは全然期待できないゲーム性でして。
――ああ、なるほど。跳びが必ず落とされるから、地上戦をやらざるを得なかったんですね。
カメラ屋
そうです。跳び込みからの攻撃はバクチ要素が高く、地上戦が地力という感覚でした。
あと、当時はハメ(当て投げ)が強烈に強かったというのもありますね。
跳びを落とされてそのままハメられて負けるということがありえて、地上戦を鍛えることで相手を近づかせずハメられないようにして確実に勝利する。または一回足払いで転がしてそこからハメて倒すという環境でした。
ただスト2Xになってくるとゲーム性が変わってきて通常技単発のダメージが減って、強い連続技を知らないと大きくダメージを減らせなくなりました。投げも受け身というシステムが追加されたことでダメージが軽減されます。
そして、大ダメージを取る手段としてスーパーコンボが登場しました。
――そうすると戦略が変わっちゃいますよね。
カメラ屋
地上戦の駆け引きの中で通常技を何発当てられても、一回スーパーコンボや連続技を当てれば勝ちという駆け引きをする人が増えましたね。
もちろん、スーパーコンボを上手く使うには地上戦の上手さも必要なので昔のバージョンよりは地上戦の重要度が下がった……という意味ですが。
過去バージョンで地上戦をしていたプレイヤーも、スト2Xで勝つためにだんだん地上戦をしないようになっていきました。
――カメラ屋さんはどうだったんですか?
カメラ屋
私はというと、スト2Xでも地上戦にこだわっていました。
昔ほど地上戦が重要でなくなったとしても、過去に地上戦という文化があったことをみんなに伝えたいという気持ちもあって。
――スーパーコンボ絡みの戦略が強いことはわかっていたけれども、敢えて地上戦の技術を重視し続けていたってことですね。
カメラ屋
そうなりますね。
周囲には「スト2Xはそういうゲームじゃないよ」と言われたこともあります。
でも、地上戦を極めるところまで極めてスト2Xで戦いたいという気持ちが私の中で強かったんです。
まあ、単純に私が不器用でスーパーコンボの入力が苦手というものもあるのですが……。
――地上戦で挑むことを諦めて、スーパーコンボ主体の戦略を考えようとは思わなかったんですか?
カメラ屋
そういう道もあったんじゃないかとは思います。
もしかしたら、今後もそういう道を選ぶ日があるかもしれません。
でも私は地上戦の精度を高めることで、スーパーコンボを上回る可能性を模索したかったんです。
――なんでまたそんな茨の道を……。
カメラ屋
私の地上戦が未熟だからスト2Xで通用してない可能性を排除出来ない以上、安易に「スト2Xはスーパーコンボのゲームだ!」と結論を出したくなかったというのもありますし、地上戦という文化が消滅しないようにもがきたかったというのもあります。
――そんなストイックな気持ちだけでずっと地上戦の道を歩み続けてるんですか?
カメラ屋
もちろん、それだけじゃないです笑
地上戦が楽しいからスト2をやってるんだから、スト2Xでも地上戦を使って勝ちを目指さないのは意味ないですよね。
試合の勝利と、自分のこだわりの中で葛藤するときもありますが、地上戦の結論が出ていない以上、私の中でスト2Xの結論は出ていません。
私はまだ成長過程なので、ゆっくり考えます(笑)
同人誌「感謝で昇龍拳」を書こうと思ったキッカケは?
カメラ屋
遊びとはいえ、自分が一生懸命費やしたものを何か……価値のあるものにしたかったんですよね。
それで全部注ぎ込んでやろうと思って作ったのが感謝で昇龍拳1・2※です。
※感謝で昇龍拳
カメラ屋さんが発行したスト2攻略同人誌。全4巻でそれぞれテーマがあるとのこと。
感謝で昇龍拳1 西荻番外編 「感謝」と「個性」(1994年夏)
感謝で昇龍拳2 群雄割拠編 「つつしみ」と「交流」(1994年冬)
感謝で昇龍拳3 狂気追及編 「こだわり」と「緻密」(1996年冬)
感謝で昇龍拳4 四次元洞察編 「情報」と「確率」(1997年夏)
1・2巻は漫画のコラージュを使用しているため、ネットでの公開は難しいらしい。
3・4巻の地上戦の駆け引きについては、現在ネットで無料公開されています。
現在無料公開されている昔の感昇の個人サイトは渋谷コブラ会会長との共同運営だったそうです。
ちなみに諸事情によりもう編集も削除もできない状況でアクセスの時に変な広告が出てることについても対応できないそうです。
仕事が落ち着いたらでいつとは言えませんがデジタル版として再公開するかも?とのこと。
――1・2はどんな内容でしたか?
カメラ屋
対戦の楽しさを伝えるというのがメインでした。
細かいテクニックの話もしつつ、昔のエピソードとか、当時のプレイヤーの口癖とか面白いと感じたものを忘れないように載せてます。
――そちらは無料公開しないんですか?
カメラ屋
漫画のコラージュを使っているから公開が難しいんですよね。
漫画のコラージュについてイメージを伝えると、漂流教室の生徒が台パンするなら地だんだ踏めと主張したり、デビルマンの不動明がデーモンに取り憑かれて踏み込んで足払い波動拳が出せるようになったり、赤木しげるがキャラ勝ちについて語ったり、ジュウザがラオウの踏み込みに自分から踏み込んで投げたり、孔明が街亭の戦いでの馬謖の跳び込みについて失望したり、ナウシカが豪鬼使いを擁護したり。
という感じの内容です
当時からのプレイヤーは1・2が好きって人が多かったです。
――結構楽しそうな本ですね。
カメラ屋
その後に就職して2年ぐらい仕事に集中してたんですけれども、一生懸命やったスト2のことをだんだん忘れてしまうのが嫌だったんですよね。
だから感謝で昇龍拳3・4では自分が一番研究したリュウケン戦の対戦攻略を残すことにしました。
――1・2は対戦の楽しさを伝えることをテーマにされたということですが、3・4はどういうテーマで書かれた本なんですか?
カメラ屋
私が3・4を書いた時代ってスト2Xがもう盛り上がってない時期だったので、連続技みたいなゲームが変わったら使えない話は書かないことにしたんです。
その代わり、初代ダッシュターボスーパーエックス全部に共通する駆け引きの部分は当然未来のゲームにも通用するだろうということで、そこにスポットを当てて作ったのが感謝で昇龍拳3・4になります。
その頃はスト2Xがストリートファイター2シリーズ最後の作品になるとは思っていませんでしたので。
――今でもスト6世代のcosaさんや翔くんといった名だたるプロゲーマーが「感謝で昇龍拳」を愛読しているそうですね。
カメラ屋
プロゲーマーのcosaさんが読んでくれて周りの方に宣伝してくれたみたいですね。
スト6でも役に立つと言ってくれているのは本当に嬉しいし感動です。まさにスト2以後も読まれることを望んで作りました。
実は、バーチャファイターのプレイヤーから駆け引きで共通する部分があって役に立ちましたって言われたこともあります。
3Dゲームのプレイヤーに共感されるというのは想定していなかったので本当に書いてよかったです。
――格闘ゲームの中に、普遍的なものがあると言うのを当時の段階で見抜いたのがすごいですよね。
カメラ屋
見抜いたというか、初代からスト2Xまでの間にバージョンアップで技の判定が変わることがあったので、必要なテクニックが変わって、その都度取捨選択していくことを体感していたからですね。
あと、自分がデータ集よりも読み物が好きだったし、スト2Xは旬を過ぎていて今さら目先の攻略を書いても仕方ないという気持ちもありました。
あくまでも自己満足の作品だったのでニーズは考えなかったです。そんな作品が30年後にスト2以後のゲーマーに届いたっていう。
私の死後じゃなくてよかったです。
地上戦の攻略について
「雲のジュウザ投げ」や「考えさせられる小足」といった面白い技名はどういう経緯で生まれたんですか?
カメラ屋
名前をつけておくと便利なんです。
技の公式名は同じでも狙いが変わったり条件限定になると区別する必要が出てきて、共通認識を持って話をする時のためにテクニックに名前をつけるという文化がありました。
そして有効だったり、語感のセンスがいいとみんなが使い始めて広まりました。
当時色々と名前をつける人はいっぱいいたんですよね。
ダルシム集団のYSB(ヨガ☆ストライクバッカーズ)のヨガ48の必殺技の「ヨガ・スナイパー・カスタム」や「ヨガ・ボンジュール」は当時とても有名でした。
感謝で昇龍拳の中で出てくる「雲のジュウザ投げ」や「影縫い」は、感謝で昇龍拳0の段階で命名していました。
個人的に気に入っているのが「さりげ待ち」や「貫通大足」「ひょっこりひょうたん投げ」「アッパラパー昇龍拳」「虫かご」ですかね。
――ちなみに、感謝で昇龍拳0というのは?
カメラ屋
ネットで読める3・4の前に、1・2があって、それらはオフセット印刷の同人誌なのですが、その更に前に原型になるコピー紙の0があるんです。それが1992年の8月発行ダッシュの時代なんですね。
(※ウメハラ漫画5巻stage36の攻略同人誌のコマに表紙が描かれています)
技の説明文章だけだと伝わりづらいと思ってスト2のムックの画像をトレーシングペーパーで手書きして挿絵に貼り付けてましたね。
「心理分析型リュウケン」みたいな対戦相手の分類はどういうきっかけで生まれたんですか?
カメラ屋
ウェブ上じゃわからないんですけれども、冊子版だと改ページしたときに空きスペースができるんですよ。
ここで何かネタを書かないといけないなってなって、性格とかスタイルの話をして埋めようと思いついたのがキッカケです。
――じゃあ、攻略のために生み出した分類じゃない?
カメラ屋
そうとも言い切れなくて、名前を付けておくと攻略に便利なんですよ。
たとえば、「反応はすごいけど、戦略的ではない」みたいな人をタイプで分けるようにしておくと別人でも同じシチュエーションで同じ動きをするとか傾向があるんです。
――確かに言葉にしておくと色々便利ですよね。
そういえばcosaさんが感謝で昇龍拳の中でお気に入りの一文は『見切りがいい加減な者はスキが多い、読みに偏ると正確さに欠ける、予測ができない者は反応に頼るので限界がある』という箇所らしいのですが、これも分類の一種ですよね。
カメラ屋
韻を踏んでいるのが、ちょっと漢文っぽいですよね。
こういうのは孫氏の兵法から影響を受けています。
――孫子の兵法って一般人が読むんですね……。
カメラ屋
私は横山光輝さんの三国志漫画から入ったんですよね。
三国志を読んでいるといろいろな昔の中国のエピソードを知ることができてそれを追いかけてみたくなって、いろいろな中国古典の本を読みました。
――じゃあ感謝で昇龍拳の源流は中国古典?
カメラ屋
孫子の兵法だけでなく沢山の漫画から影響を受けています。特に小学館の「拳児」は私のスト2の対戦スタイルに大きく影響しているので紹介したいですね。
2巻の第6話「崩拳(ぽんけん)」で形意拳の達人の尚雲祥と言う人が紹介されてるんです。
彼は不器用で基本技もなかなかできなかったのですが、師匠から教わった簡単な突き技だけを3年間ひたすら練習して、色んな技を修得している人よりも強くなったというエピソードがあって。
――地上戦を追いかけ続けているカメラ屋さんと似ている部分がありますね。
カメラ屋
これが私の大足理論の根本にあるんですよ。
私も尚雲祥のように不器用で皆のように連続技などのシステム的なテクニックを上手く使えなかったので、自分が得意な“大足払い”をひとつ極めて強くなろうという思想ですね。
「健太やります」というバレーボール漫画でも小柄な主人公がレシーブのみを鍛えるというエピソードがあって、私はそういうのに共感して実際にやっちゃう性格なんですよね。
感謝で昇龍拳の中で書ききれなかった攻略はありますか?
カメラ屋
地上戦には2種類の方向性があるという話は私の文章力で書ききれなかったポイントです。
――2種類というと?
カメラ屋
たとえば、足払いをどう当てるかというのは戦術なんです。それをしながら最終的に画面端に持っていくっていう戦略も必要なんですね。
感謝で昇龍拳3・4で技を当てるとかスカすとかのジャンケンのような戦術の話をしてしまっているから誤解を招いている部分があったかなと。
――興味深いです。詳しくお伺いしてもいいですか?
カメラ屋
本当に最小限のリスクを取りながら、気づいたら相手が追い詰められているよっていう駆け引きをするのが私の考える理想の地上戦なんです。
足払いをどうぶつけるっていうのは見える部分の駆け引きなんですよね。
講談社の「はじめの一歩」というボクシング漫画で、戦術的な駆け引きをしながら最終的に相手をコーナーに追い詰めるというシーンがあって、それがスト2の地上戦だと思ったことがありました。
本当は、中足や大足を振るぞ振るぞと思わせて、何も技を振らない間合い戦をしながらいつの間にか相手を壁際に追い詰めるという駆け引きが究極かなと思っています。
――ダメージが大事というわけではない?
カメラ屋
画面端までの駆け引きの中に、ダメージとか選択肢とか中足でどうちゃらみたいな局地戦があるだけで、真の目的はダメージを取りやすい状況に相手を追い詰めることですよ。その後でダメージは回収すればいいという考え方です。
――つまり2種類というのは、足払いのやりとりと、画面端に追い詰めることですね。
カメラ屋
そうです。
最近の格闘ゲームだと画面位置のことを「ライン」って呼ぶんですかね?
もちろん組み合わせにもよるんですけれども、リュウケン戦では画面端に追い詰める重要性が顕著です。
――感謝で昇龍拳の中にも「壁際ブラックホールは脱出不可能だ!!!」みたいな言葉がありますよね。
「リュウケン戦で相手を虫かご状態(詳しくは虫かごを参照)にしたら小指の爪ほどの体力からでも逆転できるのでは?」と本気で考えてしまう。壁際は体力を根こそぎ奪える屠殺場だ!
キャンセルだ? 連続技だ? どうでもいい。これをマスターしたものが勝つ。1試合に1回成功させれば7~8割は勝てる。壁際ブラックホールは脱出不可能だ。
カメラ屋
相手を画面端に追い詰めると、キャラクターが立ってるだけでもプレッシャーになり、あとはどう料理するかというフェーズになります。
スト2シリーズは体力が少なくなると音楽が変わるんですけれども、キャラが画面端に行っても音楽が変わってもいいと思います。
そこらへんの組み立て部分は感謝で昇龍拳5の題材になる予定だったのですがやはり就職して結婚して子育てしてとなるとなかなか執筆もできず、今回話せてよかったです。
ウメハラ漫画では対戦スタイルにこだわるオケ屋というキャラクターでしたが、実際のカメラ屋さんもそうですか?
カメラ屋
古い世代の人だと勝ち方というのにこだわる人が多いです。
ブランカ使いのコモダさんも「カメラ屋さんと戦う時は大足を空振らせることが出来たかが勝ち負けの基準で、(ブランカが得意な)起き上がりの攻防を仕掛ければ勝ちやすいことはわかっているけどあえてしない」みたいなことを言いますよ。
まあコモダさんはチャンネルを変えてどちらもできる人ですが。
――美学って大事ですよね。
カメラ屋
大会で結果を出すにはそうも言ってられないんですけれども笑
ただ、こだわりのある部分で勝てるかどうかを楽しむことが、長く同じゲームを楽しむコツですね。
攻略を隠して一番になろうとは思いませんでしたか?
カメラ屋
思わなかったですね。
知ってもらったほうが対戦が面白くなるって考えてました。今みたいに賞金がかかった大会もないですし。
次のステージに駆け引きが上がるともっと楽しくなるという面もあります。お互いにステージが上がることで楽しさが増していくんです。同じ連携を毎回食らう人と戦っても面白くないですよね?
――確かに。
カメラ屋
あと、団体戦だといつも対戦しているプレイヤーと同じチームを組んだりもするんですよね。そうなった時にチームメイトに強くなってもらわないと勝てないじゃないですか。そういうのもあって隠す意味がないというか隠すのはマイナスです。
ダルシムとかどうしてたんですか?
カメラ屋
これはあまり良くないかもしれないんですけれども、私はリュウケン戦が好きでその組み合わせの中で最強になりたかったんですよね。
ダルシムなんか眼中になかったです。平成も終わりになって、子育てが一段落して、大会出るようになってからやっと目に入ってきまして(笑)
あと、実はブランカも使えるのでリュウケン戦以外の異種格闘ではブランカを使っていました。
というか、初代スト2の頃西荻チームで団体戦に出る時にチームメイトからケンは役に立たないから別のキャラで出てと言われて(泣)、その頃の大会ルールでは同じチームで同キャラは禁止だったので、いろいろ試行錯誤してブランカに決めました。
なので、1990年代の大会はほとんどブランカで出場していて、人によっては私をブランカ使いとして認識していたようです。
――カメラ屋さんはブランカの攻略本も出されてますよね。
カメラ屋
感謝で昇龍拳0の次に出したのが、ブランカ対戦攻略本ですね。
その頃はスト2ターボ時代でそれまでにいろいろなキャラの攻略同人誌が発行されていました。
でもブランカ本だけが発行されていなくて、ブランカ使いは感性で戦っているから攻略書けないみたいに思われるとまずいとなって、ブランカ使いのみんなで協力して作ろうと盛り上がったのです。
画面に2行しか文字が表示できないようなワープロで作ったんですけれども180ページあります。
「相手キャラから見たブランカ戦」みたいなのも他キャラ使いに書いてもらったりして、両方の視点での攻略が今までなかったので褒められました。
実はスト2Xに対して複雑な気持ちを抱いてませんか?
――感謝で昇龍拳の中で、かなり強烈にスト2Xを批判してますよね。
ストⅡとは簡単に相手に派手な技を入れられるような浅いゲームではなく、「心理的駆け引きにズバ抜けていて、決めるべき時には確実に決める」という者だけが勝てる世界なのである(ストⅡXでは疑問があるが)。
だんだんと対戦ゲームは手先が器用な者しか勝てないシステムになっていった。
以前のストⅡを知っている私にとっては、現在の対戦格闘ゲームしか知らない人は可愛そうだと思う。
カメラ屋
そこらへんはごめんなさい。昔は尖ってたかもしれません。
過去バージョンと比較すると前のほうが好きだったというだけで、スト2Xも好きですよ。
ただ、スト2Xはスーパーコンボの追加と単発技のダメージ減で私がスト2の最大の魅力だと思っていた地上戦の攻防の価値が低くなって残念に感じていたのは確かです。
しかもゲームスピードも前作よりも速くなったから、操作ミスや間合い調整のミスが増えました。
――慌てちゃいますよね。
カメラ屋
私にとってストリートファイターは思考型のシミュレーションゲームだったんです。
でもスピードが速くなると操作の方に比重が偏ってアクションゲームの側面が強くなりますよね。
たとえば将棋で飛車を動かしたいのに飛車を動かせないってなったら、それはもう違うゲームじゃないですか。そして勝つためにまず飛車を動かす練習をしなきゃならないって言われたら今そのゲームをやれる自信がないです。
もちろん早指しでも勝てることが実力だろうという意見もあるんですけれども。
――バランスですよね。遅すぎるのもゲームとしての爽快感に欠けるし、早すぎると予測できない紛れが出てしまいますし。
カメラ屋
早指しの中で精度が高いのは、修練の結果なので凄いことは理解しています。
でも、早指しの強さはスポーツの体格のように生まれ持った差があるのではないかという疑問もあります。
あるいは、そのゲームを長くやり込んでいて選択肢が多かったり、強力な技を持っているから早指しで有利なだけでは?
色々な意見があるとは思いますが、攻略にかけた時間や生まれ持った早指しの強さで勝負が決まってしまうのは、私が初期スト2に感じた“体格の小さな人でも平等に駆け引きを楽しめる”という魅力と相反するんです。
初期スト2は簡単な適当跳び込み三段でピヨらせられたので、スト2Xと比べると勝負の土俵にあがることが簡単でした。
熟練のプレイヤーが、ふらりと現れた天才的なプレイヤーに駆け引きに負けて、跳びを通されて、ハメ殺されるということも珍しくありません。
それがバージョンが進むにつれて、どんな天才でも知識量や技術精度が前提に無いと勝負にならなくなりました。
もちろん、技術の鋭さは称賛するべきものです。テクニックやコンボの研究の結果、天才に打ち勝つことも格ゲーの面白さだというのは承知しています。
でも、読み負けてるのに技術と経験の差で勝ってることが自分でもわかるときがあって、私の場合それを勝ちとは思えないんですね。たまたまゲームの結果としては勝ったかなと。
――技術と経験の差で勝つことはカメラ屋さんの中では納得性が低い?
カメラ屋
本当のスト2の強さってのは誰にでも出来ることの中にあると私は考えているんです。
画面で起こっていることは、ただ前に踏み込んだり、前にジャンプしたり、技を出しただけ。でも、必要な瞬間にその選択を出来るのが達人なんです。
その思考とひらめきのプレイは、凡人が真似できるものではないんですよね。
――技術や効率すら超越した原始的な人間力の持ち主こそが、カメラ屋さんの考えるスト2が強いプレイヤーということですか?
カメラ屋
勝ってれば強いってのがわかりやすいのですが、その中でも“人間の努力の延長上の強さ”と簡単に真似できない“人間を超えた強さ”があると考えてます。
“人間の努力の延長上の強さ”は、理論的に組み立てが上手くて対応が確実でリスクリターンの判断が的確でキャラの特性を最大限活かして有利な駆け引きをして総合的に勝利する職人の強さ。
システムやリスクリターンを知り尽くした結果の洗練された動きなので説明できることが多いです。
“人間を超えた強さ”は、知識として知っていて確かに可能だけどよくそこでその技を選択したよね、というような一点読みの勝負師の強さ。
なかなか真似できないし、後付けで説明できても予測するのは難しい。そういうのは”強い”ではなくて”スゴい”って表現してます。
“スゴい”プレイヤーは、顔が見えなくても動きだけでこの人って分かるんです。それにシステムが変わっても常に強いです。
――”スゴい”プレイヤーというのは努力によってなれるものなのでしょうか。
カメラ屋
私が目指す強さがそれです。そういうプレイヤーに私はなりたいんですよね。
――カメラ屋さんにとってスト2の最終作が複雑化したことはとても残念だったと思うのですが、スト2Xを今はどんな気持ちで遊んでるんですか?
カメラ屋
スト2Xに対して、「これは自分のやりたかったゲームなのかな……」みたいなことを思っていた時期があったのは事実です。
でも、社会に出て少しゲームから離れてから改めてスト2Xに戻ってみると、とてつもなく面白い。
キャラがどうとかスーパーコンボがどうとか通常技のダメージがどうとか全然気にならない。今思えばこれって贅沢な悩みだったんです。
対戦で差がつくことや好きなプレイが出来ないことよりも、駆け引きを純粋に楽しんでるその瞬間に”感謝”したいみたいな。
人間でも同じだと思うんですけれども、一人の人物に対して「好き」だという気持ちもあれば、「ここは直してほしい」という面もある。
スト2Xに対しても同じで、「好き」「嫌い」だけの言葉だけじゃ表現しきれない複雑な思いがあります。
スト2Xは還暦まで遊ぶだろうし、古希に入った自分が引退しているとも思えないんですよね。
何せまだ成長過程ですから。
そもそもどうして「感謝で昇龍拳」なんですか?
カメラ屋
昇龍拳コマンドが下手なので当時昇龍拳が出ると「出たわー。ありがたいありがたい」みたいに感謝してたんですね。
そこから「昇龍拳が出ないのは感謝が足りないから」みたいな感じになりました。
そこから「日々昇龍拳に感謝してると昇龍拳が出るだけでなく出ない時も別の技で返せる」とオカルト化していきました。
スト2X時代にはだんだんと同じゲームが好きで時間を共有している対戦相手に感謝しましょうという話になって、そこからゲームセンターからスト2が消えていって対戦環境の存在に感謝しないといけないという話に発展して、さらに今でも付き合いのあるような友達がスト2で出来たことにも感謝して、さらにゲームで学んだ考え方や精神力が仕事に生きていると言うことに気付き……。
――感謝がどんどんゲームの枠を超えていってますね。
カメラ屋
だから、「感謝で昇龍拳」の意味は最初と全然違ってきちゃってるんですよね。
今では1つの人生哲学みたいな感じになって、自分の中で活きています。
仕事の逆境とかスト2の画面端に比べたら全然マシですよ笑
――なんせ「壁際ブラックホールは脱出不可能」ですからね。
カメラ屋
スト2をやってきたことで人間的にも成長してたことを感じることができました。
スト2ダッシュ時代にハメ待ちキャラ勝ち論争を通ってきたので違う意見の人達がいても対立しないで理解しなきゃと考えるようになっていたんですよね。
考え方は違うけどスト2好きなのは一緒だよねって思ってゲームセンターの中で上手く共存していくのって社会に通じるものがありませんか?
――わかります。
カメラ屋
あと、戦い方がいやらしくても話してみると性格がいいプレイヤーもいるので自然と戦い方とプレイヤーを切り離して考えられるようになってました。
プレイが嫌いでもプレイヤーは好きでいられるのって簡単じゃない気がしてます。こういうのもゲームセンターで鍛えられたおかげかなと。
――会社の中でもそういうの大事ですよね。
カメラ屋
ちなみに感謝で昇龍拳の3つの柱は「感謝」「つつしみ」「よかった探し」です。
――まさに人生訓ですね。
現在のカメラ屋さんは何をされているんですか?
カメラ屋
結婚して仕事の関係で神奈川県の横浜市に引っ越しました。そこで子供が2人生まれて、15年ぐらい大会には出ないで地元の横浜のセブンアイランド(閉店)というゲーセンでひっそりと野試合だけしていました。
子供たちが中学生になったのでまた大会に出るようになり、鹿島田のマットマウス(閉店)、川崎のウェアハウス(閉店)、横須賀のゲームパラダイスゼロワン(閉店)を経て、今は黄金町のTINK ARCADEで対戦しています。
あと、あまり発信はしていないんですけれども、ゲームセンター文化の保存を応援したり、ゲーム大会の運営を応援したり、若い世代のプレイヤーがゲームを楽しめる環境をいつまでも残したいのでそういう活動を進めています。
今、ゲームセンターが少なくなってきて、私たちが若いときに体験出来ていたゲームセンターでの世代を超えた交流を若い子が体験出来なくなってきているんですよね。
さすがにゲームセンターの経営はできないのでまずは自分のやれるところからやろうかなっていう感じです。
――具体的にはどういうことを?
カメラ屋
実は、私のブランカ対戦攻略本や感謝で昇龍拳の読者のJACKさんという方と令和になってから知り合いまして。
その方が住んでいるのが山形県なんですけれども、山形ではゲームセンターがどんどん閉店してて、遊べるロケーションがなくなっているそうなんです。
その方のアイディアでホテルの「琥珀の湯 欅の宿」様と協力して私の会社「株式会社エーティケー」がアーケード筐体を6台購入して昨年ホテルのロビーにゲームコーナーを作りました。
最近ではSanctuary Of God(@sogyamagata)というヴァンパイアセイヴァー2on2大会をホテルで企画して盛り上がったみたいです。
大会以外の日程でも「琥珀の湯 欅の宿」ではゲームコーナーは稼働していますので癒されに来てもらえればと思います。
大会の概要はこちらhttps://t.co/HXU6iMqRkX
申込はこちらへhttps://t.co/nLvB4X58Rn pic.twitter.com/0R8uHUl6nd— SPA2X in けやき【山形県東根市「琥珀の湯 欅の宿」スパ2X大会】 (@spa2x96382) September 3, 2024
※11月23日(土)に「琥珀の湯 欅の宿」でスト2Xの2on2大会をやるとのことです。今ならエントリーに間に合うので是非ッ!!
――温泉とゲームがくっついてるのすごい楽しそう……。
カメラ屋
あと、JACKさんが同じく欅の宿様で東北ゲーセン同窓会を1月に企画しているそうです。ビデオゲーム中心の店舗が減る中、元店員や常連が集まろうということらしく。
――それは……何だかスゴく濃い集まりになりそうですね。
カメラ屋
それと、私が子育てでほぼ引退していた時期にもスーパーストリートファイター2Xの大会をずっと運営してゲームを盛り上げて環境を守ってきてくれた友人のMつん、永田正月さんを始めとする現役スト2プレイヤーの友人達と2019年に特定非営利活動法人(NPO)の「感昇」という団体を設立しました。
法人として受け皿になってコロナ期間にゲームセンターの支援をしたり、最近では他の団体からゲームの大会運営の依頼を受けたりと。
私としてもこれからどのような方向に広がっていくか楽しみです。
――最後に、何かコメントをお願いします。
カメラ屋
他にも、いろんな活動をこれからもしていく予定です。
まだ出来ることは小さいですが、大足でダメージをコツコツと与えるように、まずは蓄積蓄積で。
これが、感謝の続きの物語ということで皆さんにご協力いただければと思っています。
――スト2から始まった”感謝”の心が、色々な人を巻き込んだすごい話に……。
カメラ屋
この年齢にもなると、ゲームが繋いでくれた人間関係とかゲームに対する恩返しを考えるようになるんですよ。
これを読んでいる人たちもいずれ今打ち込んでいるゲームをやめるのか続けるのか選択する時期が来ると思います。
その時に私たち世代の物語を参考にして決断してもらえればと思います。
最後にですが、X(旧twitter)で感謝で昇龍拳公認botを運営してくれている管理人さんに御礼を申し上げます。
管理人さんは同人誌の感謝で昇龍拳の読者の一人なのですが、感謝で昇龍拳を今の世代のプレイヤーの方に知ってもらいたいと連絡をくれまして無償で運営をしてくれています。
そのbotのおかげでおそらく忘れ去られていた感謝で昇龍拳が掘り起こされて、cosaさんのところに存在が届き、今こういうインタビューを受ける機会をいただくことができました。
本当にありがとうございました。
――本日はありがとうございました。今後のご活躍を期待しています。
※今回の場を設けてくれただけでなく、一緒にインタビューをしてくださった釧路本田さん、ありがとうございました!
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