【読書感想】深夜ラジオ的テンションの馬鹿小説からクトゥルフ風ホラー短編まで!人の想像力の果てしなさを思い知らされる良作SF短編集(流れよわが涙、と孔明は言った /三方行成)

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抱腹絶倒の馬鹿ギャグ小説から不条理SFホラーまで幅広いジャンルの短編が5編収録されている短編集。どの話もぶっ飛んでるとしか言いようがなくて面白かったです。

各短編ごとに感想を書いていきます。 

流れよわが涙、と孔明は言った (ハヤカワ文庫JA)

 

  

 

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概要

孔明は泣いたが、馬謖の首は斬れなかった。誰もが息を呑んだその理由とは―名軍師のがんばりが並行宇宙論へ飛躍していく表題作のほか、異種族の共存する世界でドラゴンカーセックスをテーマに繰り広げられる感動ファンタジイ「竜とダイヤモンド」、アルキメデス×太宰治な書き下ろし「走れメデス」など、『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』の著者が贈る、笑えて泣けて度肝を抜かれる奇想SFエンタメ全5篇! 

 

Amazonより引用

 

流れよわが涙、と孔明は言った

三国志から生まれた故事、「泣いて馬謖を斬る」を元ネタにして作られた短編。
何故か硬質化して刃が通らなくなってしまった馬謖を孔明が知謀の限りを尽くして斬ろうとするだけの話かと思いきや、何故か並行宇宙論にまで話が及んでしまうトンデモ小説。
伊集院光のラジオに投稿されるような珍文が好きな人は絶対気に入ると思います。読んでる最中は腹を抱えて笑い続けていました。

 

折り紙食堂

この本に収録されている物は全編コメディかと思いきやSFホラー小説が来て意表を突かれました。折り紙と恐怖を結び付ける発想は面白く、そこにハマれるかどうか。ほんのりクトゥルフ風味。

二人称小説というのが上手く機能していたような、していなかったような。

 

走れメデス

アルキメデスの逸話と走れメロスのストーリーを悪魔合体させた珍小説。孔明の短編と同じようなバカ系。
アルキメデスの逸話をwikiで調べておくと楽しめます。

 

人が死んだら電柱になる世界というテーマ縛りの同人誌(何それ……)に寄稿された短編。

人が死んだ後に生まれる電柱の灯りの下でしか生きることが出来なくなった世界の話。

また馬鹿系かと思いきや想像以上にストーリーがメンタルに来る。

全然話の内容は違うんですけれども、行間に漂う閉塞感はどことなく映画のCUBEっぽいかも?

オチも含めて一番好き。

 

竜とダイヤモンド

ドラゴンカーセックスをテーマにした同人誌(何それ……)に寄稿されたファンタジー短編。

面白かったけれども設定が凝りすぎていてちょっと付いていけなかった感あり。特に後半で怒涛のように明かされる新事実にお腹いっぱい気味になりました。

ドラゴンカーセックスという題材を違和感なく小説に馴染ませて、しかもこのテーマで良い話にまとまってるのはすごい。 

 
ジャンルは色々あれども、どの話も一定水準以上はあるので、皆さんに強くオススメしたい一冊です。


 

 

プロフィール

読書好きのゲーマー。
ゲームは無双みたいなライトな物が好き。
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