キャラとストーリーと物語の謎は、融和すると面白い(愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ/米澤穂信)

ライトノベル
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古典部シリーズの2巻目。

アニメや漫画などの各種メディアミックスでのタイトルは「氷菓」とされているので、こっちの呼び名の方が馴染みが深いかもしれませんね。

僕もアニメから入った口なので「氷菓」呼びの方がしっくり来ます。

愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ (角川文庫)

 

愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ (角川文庫)

愚者のエンドロール 「古典部」シリーズ (角川文庫)

  • 作者:米澤 穂信
  • 発売日: 2012/10/01
  • メディア: Kindle版
 

 

 

 

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あらすじ

未完のミステリー映画の結末を探せ!古典部シリーズ第2弾!

古典部のメンバーが先輩から見せられた自主制作のビデオ映画は、廃屋の密室で起きたショッキングな殺人シーンで途切れていた。
犯人は? その方法は? 結末探しに乗り出したメンバーが辿り着いた、映像に隠された真意とは――。

 

Amazonより引用

 

キャラとストーリーと物語の謎は、融和すると面白い

第一作目の「氷菓」は本当に傑作でした。

「氷菓」で主人公で探偵役の折木奉太郎が辿り着いた解答は、「省エネ主義者」「灰色の高校生活」を自称する彼でなければ決して辿り着けない解答であり、解答に辿り着いたのが彼だからこそ事件がより一層残酷に見えるというもので、キャラ設定とストーリーと、中核に据えてある大きな謎の3つが完全に融和した素晴らしくレベルの高い青春ミステリーでした。

今回の作品、「愚者のエンドロール」は氷菓ほど登場人物がハマっていたわけではなかったんですけれども、前作の氷菓に引き続き、ミステリー的なトリックだけではなく””人間””にスポットライトを当てた見事な作品でした。

 

中盤までは文字を追うだけの作業だった

序盤から中盤は探偵役の折木奉太郎と古典部の面々で自主制作ビデオ映画の謎を解くために関係者の証言を聞きに行く展開が続きます。

古典部シリーズはキャラクター小説的な側面もあるので登場人物の個性も大事な要素のひとつなんですけれども、関係者の証言を聞いている間は各キャラクターが基本的に聞き役に回り続けていてあまり面白くなかったです。

作者もそこは感じていたのか、合間に挟む台詞や仕草でキャラクターの個性を出そうとしていたのですが、氷菓のときほどの「設定とキャラがハマってる感」が感じられなくて、しばらくは文字を追うだけの時間になってしまっていました。

 

結末が良かったから全部許す

そんなわけで中盤まではどんな悪口をブログに書こうかとか考えながら読んでたんですけれども、終盤に入ってから、この小説のテーマが見え始めて一気に面白くなりました。

氷菓のときと同じく、キャラ設定とストーリーと、中核に据えてある大きな謎が大きく噛み合った瞬間だと思います。

間違いなく中盤までは面白くなかったのですが、結末が良すぎたので全部許そうと思います。

 

1作目の氷菓を読んでないと面白くならないと思うので、気になった人は前巻とまとめ買いをおすすめします。

www.camduki.com

 

 

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