筒井康隆は高校生の頃に1冊だけ読んだけれども、ナンセンスが過ぎてあまり好きになれなかったんですよね。
今回のもあまり好みじゃないなあとは思ったんですけれども、歳を取って度量が広くなったのか「好きじゃないけれども面白い」というぐらいには思えるようになりました。
古い小説なんで、差別用語や男尊女卑のオンパレードです。よくこれが再販されたもんだと思います。
この本はAmazonPrimeに入会する、あるいは書籍読み放題のKindle unlimitedを使えば、初月無料で読みまくれます。(記事投下時点)
あらすじ
筒井康隆の世紀の奇書が“定本”として三十七年ぶりに復刊!“ドンドンはドンドコの父なり。ドンドンの子ドンドコ、ドンドコドンを生み…”ジャズ・スキャットで使われるバブリングを駆使し、奇想天外なパロディ聖書として読書界を驚倒させた表題作ほか、初刊文庫で未収録だった実験作品「上下左右」(イラストは雑誌掲載時の真鍋博)を収録した完全版。書下しの自作解説を併録。全十篇。
Amazonより引用
さっすが筒井康隆はイカれてるぜ!
この本は短編集なんですけれども、1作品目の「バブリング創世記」からして筒井康隆節全開でだいぶイカれていてます。
聖書のパロディらしいんですけれども、読んでて途中から気が遠くなりそうでした。
2作品目の「死にかた」は、会社にいる嫌なやつが人殺しの鬼と出会ったらどんな死に方をするのかを書いただけの小説。
僕の感覚だと、こういうアイディアを思いついても、もう少し起承転結の形になるように練ると思うんですけれども、思いついたままの形で発表してしまうのが筒井康隆の凄さなんだなと思いました。面白かったです。
あの”キョン”くんオススメの裏小倉も収録
そして僕がこの短編集で一番読みたかったのが、涼宮ハルヒの直観 の中でイマイチ盛り上がりに欠ける百人一首大会が終わった後にキョンが推薦ししていた筒井康隆の短編、裏小倉。
どうせやるなら、今度は筒井康隆の「裏小倉」でやってみよう。その方が楽しいし、抱腹絶倒、盛り上がること間違いなしだ。知らない人はぜひ読んでみてくれ。絶対笑えるから。部室の本棚の一角に『バブリング創世記』が紛れ込んでいることからみて、長門も同意してくれるだろう。まあ、こいつの笑顔は見られないだろうとも思うが。
谷川流.涼宮ハルヒの直観「涼宮ハルヒ」シリーズ(角川スニーカー文庫)(Kindleの位置No.532-538).株式会社KADOKAWA.Kindle版.
この話は小倉百人一首のパロディとなっていて、百人一首に収録されている全ての短歌が筒井康隆の手によってバカバカしい内容にパロディされているというだけの短編です。
元々の百人一首をよく知らなくても、確かにめちゃくちゃ笑えました。
高校生のくせに、裏小倉に注目しているキョン恐るべし。
僕のお気に入りの短編は「ヒノマル酒場」。
ヒノマル酒場は素直に読むと、メディア批判がテーマなんですけれども、まあ多分そんな深いことを考えるような作品じゃなくて気楽に笑っておけばいいのかなと思います。
宇宙人が来日したとテレビで報道がされるんですけれども、それをドッキリだと信じ続ける居酒屋のおっさん達の話です。
面白かったけれども、やっぱり好みじゃないと思ったので、プライムリーディングじゃない限りは筒井康隆は別に良いかなって感じです。
関連記事
コメント