〈ネタバレなし〉清々しくてどこか寂しい読後感はまさに正式続編:Another2001/綾辻行人 感想【読書記録】

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面白かったんで、次はもっと発刊ペース上げてください。お願いします。

Another 2001 Another (角川書店単行本)

 著者は綾辻行人。日本の代表的なミステリー作家のひとりです。

代表作は『Another』の他には『十角館の殺人』等。

直木賞作家の辻村深月、『月姫』『Fate』で知られる奈須きのこは綾辻行人の著書から影響を受けたことを公言しています。

 

あらすじ

一大ムーブメントを起こした学園ホラー&ミステリ 新作が遂に刊行!

始まってしまった。
そんなはずは、なかった……のに、どうして。

 

今年の〈もう一人〉は、誰――?

多くの犠牲者が出た1998年度の〈災厄〉から3年。
春から夜見北中三年三組の一員となる生徒たちの中には、3年前の夏、見崎鳴と出会った少年・想の姿があった。
〈死者〉がクラスにまぎれこむ〈現象〉に備えて、今年は特別な〈対策〉を講じる想たちだったが、ある出来事をきっかけに歯車が狂いはじめ、ついに惨劇の幕が開く!
相次ぐ理不尽な“死”の恐怖、そして深まりゆく謎。
〈夜見山現象〉史上最凶の〈災厄〉に、想と鳴はどう立ち向かうのか――!?

綾辻行人が満を持して放つ、渾身の1200枚!

Amazonより引用

ストーリー的には原作版Anotherの結末を踏まえて作られている正式続編です。

なのでいきなり『Another2001』から読み始めるのは非常にオススメしません。

ちなみにコミック版Another、アニメ版Anotherと原作版Anotherはそれぞれ微妙に異なる展開を辿っていて、更にそれぞれ微妙に異なる結末を迎えています。

特にコミック版Anotherは原作版の正統続編であるAnother2001と微妙に辻褄の合わない場面が出てきてしまっています。

なので、コミック版から入った人は先に原作版との違いを調べてからAnother2001に入ると良いかと(そのまま読んでも大丈夫なように軽くはフォローされてるけれども)

ちなみにAnotherとAnother2001を繋ぐ物語となっている『AnotherエピソードS』は「読んでた方が若干面白い」程度です。どちらかというと読むことを推奨しますが、そこまで物語の核心には絡まないかなという印象。

 

前向上が長くなりました。感想書きます。

面白くて2日で読み終えてしまいました。

夜見山の〈現象〉というのがそもそもAnotherという作品を成立させるために作られたシステムなので、そのシステムを使って今さら続編なんて出来るのかと思ってたんですけれども、見事に描き切りましたね。

物語の中盤までは大きな謎が出てこなくて「これもしかしてハズレかな……?」と思ってたんですけれども、途中から一気に物語が加速して面白くなりました。買って良かったです。

トリック自体は正直なところ、伏線が綺麗に張られ過ぎているのもあって途中で完全に分かってしまいました。

ただ、クライマックスで伏線を回収するシーンに入ってから「え!?これも伏線だったんですか!?」みたいなのが山ほど出てきて別の意味で度胆を抜かれました。

清々しいようでいて、どこか寂しい読後感は流石Anotherの続編と言ったところ。

読み終わった後は茫然としながら物語の印象的だったシーンを思い返していました。特にクライマックスのシーンを。

 

そういえば作者の後書きによるとAnotherは3部作の構想だそうです。

最終作のネタはもう出来ているようなのですが、多分今のペースだと最終作が書き上がるよりも綾辻先生の寿命が尽きるのが先だと思っています。

期待せずに待つことにします。

Another 2001 Another (角川書店単行本)

Another 2001 Another (角川書店単行本)

  • 作者:綾辻 行人
  • 発売日: 2020/09/30
  • メディア: Kindle版
 

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実写版は絶対に見てはいけないという警句も込めて作ったAnother布教用記事です。

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エピソードSの感想です。

ストーリーは面白いけどミステリーとしては……という評価の難しい1冊。

www.camduki.com

 

 

 

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