ということでようやくFate staynight(アンドロイド版)を遊び終えました。今年で15周年なんですって。すごいね。
各ルートの感想をサクッと書いていきます。
15年前のゲームでネタバレもクソも無い気がしますが、以降ネタバレ注意です。
Fate(セイバールート)
プレイヤーが一番最初に遊ぶことになるルートですね。
衛宮士郎という少年がセイバーと出会うことで(あるいはセイバーという少女が衛宮士郎と出会うことで)、自分の運命と向き合い、自立するまでの話。
士郎もセイバーも『自分を省みず他人の役に立つこと』に異常なまでの執着を見せていて気持ち悪さしかなかったのですが、それでも投げ出さずに読み終えることが出来たのは『聖杯戦争』というシステムの面白さのおかげかと思います。
遊んでる最中は「なんだよこの主人公本当にポンコツだな!!」とか思ってたんですけれども、終わってみれば読んでいて一番感情が揺れ動いたのはこのセイバールートでしたね。
最終的にポンコツ具合も良い感じに解消されたのが良かったし、到底実現出来ないような理想を背負うことを宿命付けられた二人が全て遠き理想郷(アヴァロン)という名前の宝具を解放して戦いを〆るラストは二人が理想と言う名の鎖を解かれたことの隠喩のようでFate全ルートの中で一二を争うお気に入りのシーンです。
セイバーと出会ったことで始まった非日常が、セイバーが消えると共に日常に戻るエンドもベタで良いですね。最後は少し泣きそうになりました。
Unlimited Blade Works(凛ルート)
セイバールートで『主人公が気持ち悪い』『準主人公のセイバーも何かしんどい』『聖杯戦争も何とか片付けないといけない』という3つの問題を綺麗に片付けてしまったので、他のルートはどうするのかと思ってたんですけれども、別のマスターとサーヴァントの絆に焦点を当てるという方法で話を広げてきましたね。
セイバールートだとどこで活躍出来るのか分からないレベルで弱かったキャスターがやたら強いのが印象的なこのルート。セイバールートのバーサーカーよりも出番が長くて、このままキャスターを倒してエンディングを迎えるんかと思いましたわ。
セイバールートのときはセイバーと士郎が2人揃って斜め上の暴走をしていた印象なのですが、今回はセイバーが途中でパーティから外れて、士郎の手綱を握るのが作中随一の常識人の凛になったので、良くも悪くも予定調和的に収まった印象です。
今回も士郎の正義感が気持ち悪すぎ問題の掘り下げが行われていたのですが、セイバールートで一応その問題は解決したかなあ?という気はしてたので、あまり心には引っかかりませんでした。
このルートで一番の見せ場はやはりアーチャーの正体だと思うんですけれども、流石に10年前の作品だとFGO人気の影響も相まって、何をどうしてもネタバレに触れてしまっているので流石に盛り上がれず。やはり良い作品は鮮度が高いうちに遊ぶに限りますねー。
全ルートを通して一番活躍していたのは凛だし、かなり良いキャラだと思うのですが、肝心の凛ルートでも他のルートと同じ程度の活躍しかしていないので、何だか微妙に思い入れが薄いです。『アーチャーを追ってたら勝手に凛が惚れてきた』みたいな展開でしたし。
とはいえ、個々のエピソードはなかなか良いものが多く、特にバーサーカーとイリヤの最期は胸が抉られました。
僕はセイバールートが傑作だと思うんですけれども、それを踏まえたうえで話を更に展開させて様々なIFの可能性を示唆した凛ルート(と一応桜ルートも)が無ければ、今ほどの人気は得られなかったんじゃないかなあと思います。
Heaven’s Feel(桜ルート)
お目付け役のセイバーはリタイア、ストッパー役の凛とはあまり連携が取れず、その結果として士郎の暴走を止める人間が誰もいなくなって大変なことになるルート。
前の2ルートはマスターとサーヴァントの絆に焦点を当てていたのですが、これは士郎の正義感の根本と聖杯戦争のシステム(仕組み)に焦点を当てたルートでした。全体的に陰鬱としていて、Fateの世界観を骨までしゃぶりつくしたい人のための上級者向けルートって感じがします。
正義感とは何か!!という大きなテーマを描くにあたって、絶対的な悪の象徴である言峰神父の詳細な描写は欠かせなかったわけですが、結果としてヒロインの桜をキャラの濃さで喰ってしまってましたね。桜と良い感じになるシーンよりも、神父が麻婆豆腐食ってるシーンの方が余程尊かったんで実質神父ルートですわこれ。
あとは3ルート通して便利キャラであり続けた凛のドラえもんっぷりがここにきて完全に極まってきて、宿題さえ与えておけば想定以上の成果を出す女としてラスボスすら圧倒してたのは逞しすぎワロタって感じですね。このルートの方が凛を好きになる要素が多かった気がします。チート性能の美人はいつだってオタクを惹きつけてやまない存在です。
肝心のヒロインの桜については、同情こそすれども士郎に付け入るような真似をしてまんまと懐に潜り込んだような印象が拭えなくて、そこまで好きにはなれなかったですね。
ところで真アサシンとはいったい何だったんでしょうか。
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