「やりすぎ」という言葉がよく似合うノベルゲーム。原作の同人版は未体験なんで比較は出来ないのですが、原作遊んでた勢はみんなリメイク版の出来に打ちのめされてますね。
いやはや、ノベルゲームでここまで人を疲弊させるものが出てくるとは思わなんだ(褒めてます)。
概要
奈須きのこ・TYPE-MOONがおくる伝奇ビジュアルノベル、新生―
『月姫』は、TYPE-MOON が 2000 年に発表した長編伝奇ビジュアルノベル。
モノの壊れやすい線―――「死の線」を見る能力を持つ主人公・遠野志貴を中心に描かれる物語は、頒布当時から多くの人を魅了。
その『月姫』が、奈須きのこ・武内崇をはじめ TYPE-MOON スタッフにより、以前の面影を残しつつ新たなる表現と共に『月姫 -A piece of blue glass moon-』として新生。
Amazonより引用
理由がないならSwitch版を買おう
とりあえず最初に言いたいことはSwitch版を選んで心底良かったと。
このゲーム、体感として小説10冊分以上のボリュームなんですけれども、これを据え置きハードを使ってテレビの前で遊び続けるのは現代じゃ無理!!!!!
月姫は日常と非日常の起伏がひとつのテーマでもあるんですけれども、非日常パートが激しめな分、日常パートはちょい退屈なんですよ。
だから言い方悪いんですけれども、「ストVで対戦してた方が楽しい」って思う瞬間がどーーしても存在するんですよね。かといって日常パートは完全な無駄というわけじゃなくて、後に訪れる大カタストロフィのために必要な大いなる助走なんで片手間に遊ぶのもどうかという話なんですよ。
同人版の月姫が出た2000年ならいざ知らず、娯楽が飽和しきって人の時間が細切れにされた令和の時代だと助走に耐えれない人って絶対出てきそうなんですよねー。
しかしながらSwitch版は移動時間に無駄なく遊べるのが強い。本当に強い。
最近、SwitchはアプデでBluetoothのイヤホンに対応したので、外でますます遊びやすくなってるのも良いですね。
ノベルゲームなんでハードごとの性能差も無さそうですし、理由が無いなら買うのはSwitch版一択ではないかと。少なくとも遊んでる最中に不便は感じませんでした。
まあ、強いて言うならSwitchの携帯モードだとロード時間中の暗転に自分の顔が映るのがちょっと嫌でしたけど。
没入感が削がれるので真っ黒じゃなくて、一枚絵を表示して少しでも顔が映りこまないようなロード画面にしてほしい。
強烈な奈須きのこ臭にむせかえるぜ……
みんなが奈須きのこに求める物は、「奈須きのこ臭」以外の何物でも無いと思うんですけれども、ほんっとに今回の月姫は奈須臭が濃い。みんなが大好きな「奈須は人を選ぶから……」の奈須ですよ。
厨二病という単語を使うのも躊躇するほどの厨二病っぽさとか、一人称と三人称が突然入れ替わる独特の文体とか、妙に誇張しすぎたキャラクターと能力と表現とか、100%の奈須きのこ。よくぞこんなに進化も退化もせずに維持出来たもんだと感心するレベルで奈須きのこ。
そんで相変わらず吸血姫とか直死の魔眼みたいな単語から世界観の奥行きを見せるのが抜群に上手いんですよねこの人。
その分、遊び終わった後の満足感と疲労感がとてつもないんですけれども。
スキップ機能さえもう少し使いやすくなれば……
久々にフルプライスのゲームを定価で買って、久々に定価分以上に遊ばせてもらったと思ったんですけれども、スキップ機能のしょっぱさは少し気になりました。
このゲーム、フローチャートを使って前の選択肢に戻ることは出来るんですけれども、既に見たシーンであっても後の選択肢まで一気にスキップすることが出来ないんですよ。
一応シーンのスキップ自体は出来るんですけれども毎回「シーンをスキップしますか?」の質問に答えないといけないんですよね。
この仕様のせいでバッドエンド集めが正直面倒くさい。
一度、ゲームオーバー後のヒントコーナーでセーブしてしまったことがあったんですけれども、ヒントコーナーからだとフローチャートで戻れない仕様になってるんですよね。
だから「最初から」を選んで、また既読シーンを手作業でスキップして…を繰り返して直前の死んだ選択肢まで戻る必要があって、このゲームもうやめようかなと萎えたぐらいにはめんどかったです。
選択肢を手作業でスキップする体験がゲームの面白さにプラスの影響を及ぼしているとは思えないので続編を出すときには是非ともフローチャートから後の選択肢にまで進めるようにしてほしい。
長くなったのでネタバレありの各ルートの感想は後日書きます。
細かいところ忘れてるからちょっとやり直してから書く予定。
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