「力みなくして解放のカタルシスはありえねェ」とは範馬勇次郎の名台詞ですが、クライマックスの感動のために道中で観客にストレスをある程度与えるのは理解出来るんですよ。でもクライマックスの感動が20として、道中のストレスが300とかなんでまったく割にあってないんですよねこの映画。コスパが悪い。
見終わったらムカつきすぎて、このアニメを叩いておきながら「竜とそばかすの姫」を見に行ったやつらに文句言いたくなりましたもん。ちゃんとつまらないと思ったものにはNoを突き付けたほうがいいですよ、お互いのためにも!!!
あらすじ
誰もがみんな“くんちゃん”だった-小さな男の子の成長と、過去と未来をつなぐ家族の物語!
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃんに生まれたばかりの妹がやってきます。妹に両親の愛情を奪われ、寂しさいっぱいのくんちゃん。そんな時くんちゃんは家の庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、不思議な少女と出会います。彼女は未来からやってきた妹・ミライちゃんでした。ミライちゃんに導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つくんちゃん。むかし王子だったと名乗る謎の男との出会い、幼い頃の母との不思議な体験、そして父の面影を宿す青年からの教え。そこで初めて知る様々な「家族の愛」の形。果たして、くんちゃんが最後にたどり着いた場所とは?ミライちゃんがやってきた本当の理由とは。
Amazonより引用
ケモショタホームビデオ
何となくやりすぎ感のあった世界設定が続いていた従来の細田守作品に比べて今回はスケールがかなり小さめ。「家の片隅で起きている小さな不可解」という方向性はかなり好きです。それをテーマに夏休み映画を作るというのはなかなか挑戦的で良いのではないかと。
ただ、映画としては金持ちの家に生まれたクソガキのホームビデオにしか見えなくて、クソガキのウザさを90分延々と見せつけられるのは辛かったです。時間が経てば経つほど主人公が成長してウザさが緩和されていくのかと思っていたのですが、まさかクライマックス直前までクソガキのままでいるとは思いませんでした。4歳の男の子をリアルに描写しすぎていて見るに堪えなかったです。
ショタのケツにしっぽつけて可愛らしくしたぐらいで観客のストレスを緩和出来ると思うなよ!?
見ていてこっぱずかしくなるほどのストレートなメッセージ
未来のミライでは、作品のテーマとして「子供は手間がかかっても可愛いよね」とか「知らないうちに子供は成長しているんだよ」みたいなのがあったと思うんですけれども、それが見てるこっちが恥ずかしくなるぐらいのストレートさで表現するのがまた悪かったんですよね。免許更新のときに見せられる講習用の道徳ビデオぐらいメッセージ性が凡庸。
好みはあるのかもしれないんですけれども、ここまで直接的に作られてると僕はあまりいい評価をあげられません。仮に自分が子育ての当事者だったとしても、そんなありきたりなメッセージをありきたりな表現で伝えられても元気が出るとは思えませんでした。
「自分は様々な繋がりや偶然で今ここにいる」ということを感じさせるエンディングは良かったんですけど、良い話感出して色々な問題を強行突破しようとしてないか!?と感じなくもなかったです。
細田守映画の中で間違いなくワースト1の出来でした。
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