ツイッターで大絶賛されていたのを見て買いました。
阿佐ヶ谷姉妹といえば僕の中では『細かすぎて伝わらないモノマネ』で宗教勧誘のおばさんとか万引きGメンのモノマネをしていたイメージなんですけれども、あの地味でニッチなんだけどちょっと面白い感じがそのまま伝わってくるエッセイです。
電書版が今セール中みたいですよ。
概要
「時にいざこざもあるけれど、おおむね楽しく自由に、のんびり暮らしております~」
40代・独身・女芸人である2人の地味おもしろい同居エッセイ+書き下ろし恋愛小説も収録。歌って踊れて昭和感ただよう芸で人気上昇中の二人組・阿佐ヶ谷姉妹(実際の姉妹ではありません)。
「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の地味おもしろいネタで知られる2人ですが、実際も地味~に阿佐ヶ谷2人ぐらしをしています。四十路、独身、女芸人、そんな2人が繰り広げる日常は細かなこだわりと笑いと、そして人情に溢れています。本書では、リレー形式で「阿佐ヶ谷2人ぐらし」「妙齢事情」「引っ越し騒動」の3章立てでエッセイを収録。
Amazonより引用
この世で唯一の正気と思い込んでいるミホさん
本を読む前は「阿佐ヶ谷姉妹とかどっちがどっちか区別付かねーよ!!」って思ってたんですけれども、読んでるとそのうち分かるようになるんですよ。
まず、ミホさんは面白い文章を書こうとしているから表現を凝るんですよね。その表現の独特さがミホさんの良いところです。特に黒髪でおかっぱに揃えた髪のことを「岸田劉生の麗子像みたい」と表現しているのは並々ならぬセンスを感じました。
あと、ミホさんは文には書いてないんですけれども「自分は正気である」と思い込んでるタイプなんですよね。だから取り上げるテーマは周囲へのツッコミが多いです。
女性だけの健康体操教室カーブスに行って「ここにはキャラの濃いおばさましかいないわ!!」と綴ってるんですけれども、相方のエリコさんから見たらミホさんも十分キャラが濃いんですよ。
でも「自分は正気である」と思ってるからそこに気付かないんですよね。
一歩引いた視点が面白いエリコさん
エリコさんの文章は余計な表現が無くてスラスラと読むことが出来ます。
積極的にエッセイの中で自分を出そうとしているミホさんと比べると文章自体の面白さはやや足りないんですけれども、この人は正気ぶってるミホさんのおかしさをよく観察してるんですよ。
「自分は阿佐ヶ谷姉妹のオシャレ担当」みたいな雰囲気を出してるミホさんの服装を「小学生みたい」とばっさり切り捨てたり、クソ狭い6畳の部屋にセミダブルの布団を買ってきたミホさんに振り回されたりしてるみたいです。
ミホさんの話以外は地味なんですけれども、エリコさんは余計な表現をしない分、自分の感情を文章で出すのが上手いんでこっちもなかなか面白いんですよね。
書き下ろしの小説は本職じゃないから仕方ないよね!って感じの出来なんですけれども、エッセイは面白かったです。
軽く読めるんでオススメです。
読者登録してもらえるとモチベにつながります!!
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