頭の悪い上司や、こずるい取引先を論破していく痛快社会派エンタメ小説。
あらすじ(アマゾンよりコピペ)
大志を抱いてバンカーとなり、今では大阪西支店融資課長を務める半沢直樹。ある時支店長命令により五億円もの融資を行った会社があえなく倒産した。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付け、醜い保身に走る浅野支店長。沸き上がる怒りを抑えながら、半沢は巨額の債権を回収するすべを探る。やられたら、倍返し――ここから痛快リベンジ劇が始まる!
ドラマ未視聴組なのですが、読んでいて身体が思わず熱くなるぐらいには面白かったです。元々は『オレたちバブル入行組』という『ずっこけ三人組』みたいなタイトルだったのが、ドラマ人気にあやかる形で『半沢直樹 1 オレたちバブル入行組』に改題したようですね。
銀行出身の著者が描く銀行小説ということで少し硬めの内容を予想していたんですけれども、本当に『ずっこけ三人組』みたいなエンターテイメント全振り小説でした。
銀行が舞台だから当然金融用語は出てくるんですけれども、
さて融資先企業が「不渡りを出した!」と相成ったとき、銀行ではいくつかの書類を用意することになっている。
当座解約通知書、請求書、相殺通知書などである。
当座解約通知書には、「不渡りを出すような信用不安のある会社に、名誉ある当座預金口座を開かせていたのでは当行の名折れなので、閉鎖させてもらうぞ」というようなことが書いてある。 請求書は、「不渡りを出して信用もへったくれもなくなったから、 お宅に貸したカネ、耳を揃えて返してくれ」という書類。さらに、相殺通知書というのは、「お前の預金は借入金と相殺させてもらったから悪く思うな」という書面である。
池井戸潤. 半沢直樹 1 オレたちバブル入行組 (講談社文庫) (Kindle の位置No.656-662). 講談社. Kindle 版.
こんな感じでかなり噛み砕いて説明してくれるので、まったく肩肘を張らずに読むことが出来ます。敵役がちょっとお馬鹿でおいおいと思う場面もあったんですけれども、そこも含めてエンターテイメントとして楽しく読めるように意図して書いたっぽいですね。ウィキペディアにもそんな感じのことが書いてます。
従来の企業小説では銀行の悲惨さや陰惨さを暴露的に訴えるような暗い作品が多かったが、それらをひっくり返して「銀行の中で人が生き生き動く活劇」を作る過程で出来上がったのが、ズバズバ物を言うが小狡い一面も持つ「清濁併せ飲むヒーロー・半沢直樹」であり「サラリーマンチャンバラ劇」[6]の趣となっていると池井戸は語っている[5]。
第1作を単行本化するに際して、読者にはエンターテインメントとして読んでほしいという思いから、企業小説風のネーミングではなく敢えて『オレたちバブル入行組』という物語風のタイトルをつけた[5]。
確かに綺麗な勧善懲悪で終わるところなんかは、王道の時代劇っぽいなーと思ったり。
ドラマの1期では2巻のところまでやったらしいので、またキンドル本がセールのときを狙って続きを買いたいですねー。
そういえばドラマでお馴染みの『倍返し』の単語は1回しか出てきませんでした。
追記:半沢直樹の1巻がキンリミの読み放題で読めるようです(20/09/02現在)
キンリミの読み放題ラインナップは定期的に入れ替わるので、気になる人は今のうちに読むと良いんじゃないでしょうか。初月無料です。
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