久々に映画とか小説の感想。
noteで気楽に感想を書くことに慣れてきたので、こっちでもまたいろいろな感想を再開しようと思う。
ちなみに格ゲーのインタビュー関連も、ペースは落としているけれどもちゃんとやってるので安心してほしい。
話が逸れた。本題。
かがみの孤城は映画を見る1時間前に原作を読み終えてボロボロと泣いてたんだけれども、そのあとに見た映画でもボロボロと泣いた。
2周目ということもあって、ある登場人物の姿を見ただけで涙が少しこぼれてきた。
原作小説は2017年に発行されていて本屋大賞を受賞している。
本屋大賞というのは「8割ぐらいの人は楽しめる小説だよ!」という太鼓判みたいな役割の賞なので(※個人の感想です)、気になった人は是非買ってほしい。映画版を先に見ていても楽しめると思う。
原作版の話をすると、そもそも辻村深月は嫌な出来事の描写の粒度が高すぎる小説家で、かがみの孤城でもその手腕は遺憾なく発揮されている。
多分、原作既読組は映画を見ながら「これじゃ足りないよ!原作はもっとひどかったでしょ!」と思っていたことだと思う。
母親が表面上は取り繕っているけれども、不登校の主人公をなまけていると決めつけているような雰囲気、人の目を気にしすぎてしまって上手く伝えたいことが伝えられない気持ち、顔も合わせたくないぐらい嫌いないじめっ子との問題を「話し合って解決しよう」と言い出す教師の言葉を聞いたときの絶望など。
この小説は不登校の経験なんてなくても、陽キャと呼ばれる側にいなかった我々には十分すぎるぐらいのダメージを与えてくる。正直、心が弱いと痙攣して死にかねない。だからこそ、途中で挟まれる温かい言葉に心底救われたような気持ちになる。
映画版は、原作の展開を光の速さでなぞっていくので最初は不安になったけれども、一緒に見に行った原作未読の彼女は十分に楽しかったらしい。
原作で印象的な手紙のシーンも光速で流れるので伝わるかどうか心配になったんだけれども、ちゃんと彼女はメンタルにダメージを負いすぎて吐きそうになったそうだ。
僕と同じように描写の薄さにやきもきしていた原作勢の人は安心してほしい。
ちなみに映画館には何故か中学生ぐらいの子が多く、作中のちょっとした小ネタにヒソヒソ喋ったり、映画の最中にスマホを開くバカがいたり、後ろのおっさんが座りすぎで痙攣してるのか席を足でコツコツしてきたりで最悪だったけれども、それでも映画版も面白かった。
入場特典でもらえる1枚絵は、原作勢も涙腺崩壊確実の素晴らしいものなので是非見に行ってほしい。
ちなみに映画の方は既に興行収入が10億円突破しているらしい。
もっとヒットして、もっといろいろな辻村深月作品が世に出るようになってほしい。
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