共感しやすい人にこそ牙を剥く、悪意的な小説(残穢/小野不由美)

小説
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 この家は、どこか可怪(おか)しい。

 

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

 

 

  

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あらすじ

この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!

 

Amazonより引用

 

怖がることは共感するということ

ジェイソンがこの世に存在しないことは分かりきっているわけですが、ホラーを見ている最中はそんなこと考えないじゃないですか。

登場人物に共感して、彼らと心を一体化させてるからこそ、画面の中にジェイソンが現れたときはまるで自分の目の前にジェイソンがいるかのように驚いてしまうわけです。

だからホラーにビビりやすい人は、共感力が高いいんだと思うんですよね。

 

世界観を塗り替える強烈なホラー

そういう人にこそ読んでほしいのが、今回紹介する『残穢』という小説です。

何故オススメするのかをネタバレ抜きで語るのは難しいのですが、ひとつ言えるのは、この小説は人の心を塗り替えてしまうほど強烈な作品であるということ。

だから、ビビりやすい人にこれを勧めるのはちょっと気の毒だなあと思うんですけれどもね。

 

誰もが楽しめる小説では無い

その一方で、確固とした自分がある人や現実的な思考を持つ人にはすごくつまらない小説になるんじゃないかなという懸念もあります。

というのもこの作品、怖いんですけど小説としてはちょっと物足りないんですよね。

癖がありすぎる作品ではあるのですが、我こそはビビりのホラー好きという人であれば是非。

 

 


 

プロフィール

読書好きのゲーマー。
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