日本のヘンテコさ再発見エッセイ
概要
「膨大な金を算出し、宮殿や民家は黄金で出来ている。また、ジパングの人々は偶像崇拝者であり外見がよく、礼儀正しいが、人食いの習慣がある」というのは、マルコポーロ『東方見聞録』の日本の記述。「いえいえ日本はそんな変な国じゃなりませんよ」と言いたいところですが、漫画家・ヤマザキマリさんから見た日本は、やっぱりじゅうぶん変だった!イタリア→日本→中東→ポルトガル→シカゴ在住。異国暮らし歴十数年の著者が、近くて遠い愛すべきニッポンの妙を綴る現代版見聞録!
◎ポットン便所のトラウマが生んだお尻洗いつき便器!◎おっぱいだけが巨大化しつづけるオタク漫画!◎ドSな吹き替えが強烈なハリウッド映画!……など
『テルマエ・ロマエ』のルシウス並みに日本に驚き、日本文化を楽しみ、真面目に悩むヤマザキマリ氏の真剣な眼差しが読めば読むほど逆にユーモラス。テルマエファンはもちろん、男性女性老若男女とわず楽しめる1冊です。
イラスト&漫画も満載!!
Amazonより引用
純粋に面白がるスタンスが心地良い
望遠ニッポン見聞録は海外在住歴が長い筆者・ヤマザキマリによるエッセイ集です。
ヤマザキマリといえば古代ローマ人が日本の銭湯にタイムスリップする珍漫画テルマエ・ロマエですが、彼女の優れた観察眼はこのエッセイでも遺憾なく発揮されています。
イタリア→日本→中東→ポルトガル→シカゴと様々な国で居住した彼女にとって、日本は数ある国のひとつでしか無いようで、無理に優劣を付けようとせず、純粋に差異を面白がるだけのスタンスは読んでいてとても心地よかったです。
世の中には外国の話をするとどちらが優れているという結論を出さないと気が済まない人もいるようですが、この本はそういった無駄なマウントとは無縁です。
結婚式のためだけに建てられた教会の謎
エッセイで面白かった話をひとつ紹介すると、外国人の方にとって、日本にある結婚式のためだけに作られたホテルの俄か教会が不思議で仕方ないらしいです。
それもメディアで何度も取り上げられるレベルで不思議がられているそうです。
信仰心も無いのに教会で挙式を挙げたがるカップルが後を絶たない不思議な国、ニッポン。
自分が宗教観に無頓着なせいで今の今まで全く違和感なく受け入れていたのですが、言われてみたらその通りですよね。
日本って自分が考えているよりも遥かにカオスな国なのかもしれんなーと思いました。
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