”あの”エンドレスエイト収録巻
あらすじ
夏休みに山ほど遊びイベントを設定しようとも、宿敵コンピ研が持ちかけてきた無理無茶無謀な対決に挑もうとも、ハルヒはそれが自身の暴走ゆえとはこれっぽっちも思っていないことは明白だが、いくらなんでもSOS団全員が雪山で遭難している状況を暴走と言わずしてなんと言おう。
こんなときに頼りになる長門が熱で倒れちまって、SOS団発足以来、最大の危機なんじゃないのか、これ!?
非日常系学園ストーリー、絶好調の第5巻!
Amazonより引用
『退屈』に続く短編集その2です。
エンドレスエイト
『涼宮ハルヒの憂鬱』が伝説のアニメとして語られる理由の一端となった悪名高き一作(原作には罪はないですが)。
ある意味では、この話がなければハルヒはみんなの記憶に残らなかったかもしれません。
この話は”諸事情”により事件の展開も、どうやって事件を解決したのかも、僕は全部覚えてしまったので、ちょっと退屈な気持ちで読んでました。
時系列で言うと文化祭(涼宮ハルヒの溜息)より前なのですが、作者の気持ちが変化したのかハルヒの性格は至極まともな物になっている印象です。
射手座の日
デタラメな能力を使わずにコンピ研と部室のパソコンを巡って勝負する話です。
エンドレスエイトと射手座の日の2作ともが『消失』への大きな伏線となっているので、素直に『消失』の単行本を出す前にこの話を単行本で出せば良かったのに……と思いました。
勧善懲悪的で分かりやすく、いつものハルヒ的な内容で『暴走』に収録されている話の中では一番面白かったです。
もっとも、作中では半ばメタ的にこの展開を「マンネリ」と揶揄していましたが。
雪山症候群
『消失』以後の物語。
新章の幕開けとして、新たな”敵”の存在が示唆されています。
キョンが積極的にSOS団に関わろうとしたり、ハルヒが団員を気遣ったりと、キャラクターの精神的な成長が垣間見えます。
ただし、朝比奈さんだけは初期から変わらず、ずっと無能なままあわあわしてるだけなんですけども(彼女はマスコットだから良いんですが)
話としては孤島症候群の続編と見せかけた、まったく別の話。
進行役の古泉が半ば誇大妄想狂のようになってしまっていたのと、謎解きのためのヒントがちょっと強引すぎるのが合わさってストーリー展開はちょっとイマイチかも。
まあ、実質的な最終回だった『消失』以後の彼らを見ることが出来ただけで十分ですかね。
次の巻に期待です。
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