半沢直樹シリーズを順番に読んでいっているわけですが、これで3作目になります。
ドラマ版のシーズン2前半にあたる部分の原作です。
あらすじ
東京中央銀行の花形部署から子会社「東京セントラル証券」に飛ばされた半沢直樹。新天地で2か月が経つも、なかなか結果の出せない半沢に、大きな案件が舞い込む。
IT企業の雄「電脳雑伎集団」が、ライバルの「東京スパイラル」のM&Aを画策しているのだ。これにアドバイザーとして食い込めれば莫大な手数料が見込める。
半沢らが本格的に乗り出した矢先、アドバイザー契約が横合いからかっさらわれた。「敵」は東京中央銀行証券営業部。親会社が子会社の大口案件を横取りしたのだ。責任を問われた半沢の地位は危なく揺らぐことになった。 ――やられたら、倍返しだ。
世をすねたロスジェネ世代の部下・森山とともに半沢は立ち上がる。人事を盾にする卑劣な親会社に、仕事を通じて逆襲するのだ。
今度の舞台はIT業界の熾烈な買収合戦――痛快度100%。すべてのビジネスマンを元気にする最強のエンタテインメント!
Amazonより引用
取り上げているテーマがゆとり世代にもなかなか刺さる
2作目は面白かったけれども、1作目と比べると同じことを水戸黄門的に繰り返してるだけでちょい新鮮味に欠けるよなーと思ってたのですが、今回の話は銀行が完全に敵で、半沢が社会人の先輩という役割を見せていたのが面白かったです。
この話はロスジェネ世代とバブル世代の対立が1つのテーマなんですけれども、僕はロスジェネ世代じゃないながらも世代間の対立というテーマはなかなか刺さるものがありました。「上の世代がウザいのめっちゃわかるわーーーーーー」って感じです。
ストーリーも株を買うor株を買われるというシンプルな部分が焦点になっていて、金融業界の話ながらも理解しやすくて助かりました。
ドラマ版よりもこっちの方が面白いと思う場面も。
前の1巻、2巻を読んだときは問い詰めるシーンや議論のシーンは原作は生身の人間が演じているものと比べると、ちょっと迫力が足りないなあと思っていたのですが、今回はクライマックスのシーンは文字だけでもだいぶ迫力がありました。
ドラマ版でさんざん有名になっただろうから微ネタバレを書くんですけれども、「ゴミ扱いしているのではありません。ゴミだと申し上げているのです」というセリフは原作版の方が格好良いまであります。
今回も肩肘張らずに質の良い娯楽小説として読むことが出来ました。
おすすめです。
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