「俺が良いと思ったアートが良いアートだ」という意見はあると思うんですけれども、この本は「お前の感性はさておき、買って得するアートを教えてやる」という内容の本です。
まあ、僕はこの本を読んで「アートに手を出すのはやめよう」と思ったんですけれども。
概要
ビジネスで「アート」が注目されている。先の見えない時代だからこそ、論理ではなく感性がキーになる。その流れの中でアート思考がビジネスの現場で使われ、アートの教養も問われ始めている。
本書は、みんながわかっているようで、じつはわかっていない、アートの世界を「教養」と「投資」という切り口で紹介していく。
著者はタグボートというECサイトを運営し、現代アートを取り扱い、日夜アートの啓蒙活動をしている。
「投資」という視点でみると、アートの「教養」も従来のものではなく、買った後に価値を生むための「審美眼」というものになる。その審美眼を磨くための情報としてまとめられているのが本書だ。
ビジネス教養は日々急速に変化しているが、本書はその流れを受けて、「新時代のビジネス教養書」として読んでもらいたいアート本である。
Amazonより引用
日本では売れないだけで、海外だとアートは売れるぞ
まず、日本ではアート作品って飾って終わりみたいな風潮があると思うんですけれども、アメリカとかの海外だと買い取ってくれる仕組みがきちんと整備されているから投資商品としての価値がある程度担保されているそうなんですよね。
具体的には、ある程度の物なら大手のギャラリーが最低限の買い取り値を保障してくれるそうなんですよ。
日本だとそういう仕組みが発達していないので、アート=投資というのはあまり馴染みがないんですけれども、アメリカではアート=投資という考えが根付いているらしいです。
儲かるアートは現代アートだ!!
アートといえばピカソやゴッホですよね。彼らの作品は時間を置けば確実に値上がりするんで投資商品としてカタいみたいなんですけれども、いかんせん値段が高い。
そこで本書でオススメされているのが、値段もお手頃な若手作家の現代アートです。
でも現代アートって、前衛的すぎてわけわからないじゃないですか。
僕もそう思ってたんですけれども、値段の上がるアートっていうのは、そういった今までに前例の無いものなんだそうです。
アートは雰囲気で価値が出る
この本を僕が誤読していなければですけれども、買ったアートが値上がりするかどうかは、
・高く売れそう(大事)
・美術史の観点から見て、今までにない手法やコンセプトである(ここがわけのわからなさに繋がる)
・現代社会へのメッセージ性があって、それが言葉で説明できる
・アーティスト自身にセルフプロデュース能力がある
・アーティスト自身に売れるまで続ける根性がある(いつかめっちゃメジャーになるまで頑張ってくれそうか)
という感じで、売れそうな雰囲気があると作品が値上がりするみたいなんですよね。
我々は絵を見るときに、わけのわからない模様の絵とめちゃくちゃ上手いイルカの絵を比べたら多分イルカの絵を選ぶんですけれども、投資視点で見るとわけのわからない模様を選ぶのが正解なんです。
僕、草間彌生とか野生爆弾のくっきーの絵の何が評価されてるのかまったく分からなかったんですけれども、上に書いた基準を見たら納得しました。
繰り返し書きますけれども、僕が本を誤読している可能性はありますよ?
でも、「アートは雰囲気で値上がりしている」という解釈が正しいんだとしたら、僕はそういう雰囲気に投資するよりも、将来のためを考えて自分が良いと思ったものに投資をしたいなーと思いました。
もちろん、アートは投資商品以外の側面もあるんでしょうけれどもね。
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